【問題】豊臣秀吉の供養のために正室の北政所が創建し、境内に国の重要文化財に指定されている傘亭、時雨亭の茶室をもつ寺院はどこか。
(ア)高台寺
(イ)両足院
(ウ)西芳寺
(エ)芬陀院
京都・観光文化検定験 第9回 3級 第18問
【正解】
(ア)高台寺
【高台寺の開山】
豊臣秀吉が慶長3年(1598)に病死したのち、
正室 北政所 ねねは、秀吉の菩提を弔うための寺院建立を発願しました。
徳川家康は、北政所を手厚く扱い、配下の武士たちを担当に任命し、慶長11年(1606)、高台寺を開山。
寺号は北政所の落飾(仏門に入る)後の院号である高台院にちなんでいます。
その後度重なる火事で多くの堂が消失しましたが、今も残る開山堂と霊屋、茶室の傘亭、時雨亭、観月台に桃山時代の華麗な面影を伝えています。
【傘亭】
伏見城の遺構と伝えられています。
丸太造で茅葺(かやぶ)き屋根という素朴なたたずまいで、部材の多くは取り替えられ古趣は失われていますがら桃山時代の自由な茶屋の趣を伝えています。平屋の傘亭と二階建ての時雨亭は、小堀遠州の作と伝えられる吹き放しの土間廊下でつながれ、均整のとれた珍しい外観を組み立てています。傘亭はもと「安閑窟(あんかんくつ)」と称され、その額が、棟を支える束(つか)に掲げられています。
宝形造(ほうぎょうづくり)の屋根の内部に竹垂木(たけだるき)が放射状に展開することから傘亭と呼ばれるようになりました。
【時雨亭】(重要文化財)
傘亭の南隣にあり、傘亭との間は屋根付きの土間廊下でつながれています。珍しい2階建ての茶室で、2階南側の上段の間は柱間に壁や建具を設けない吹き放しとする。傘亭同様伏見城からの移築とされ、廊下は移転時に付加されたもので、両茶室はもともと別々に建っていたと考えられています。
【アクセス】
阪急河原町駅・京都祇園四条駅から市バス207→東山安井停下車 東へ徒歩5分
JR京都駅・近鉄京都駅から市バス206(東山廻り)→東山安井停下車 東へ徒歩5分
JR京都駅・近鉄京都駅からタクシーで約15分
【所在地】京都府京都市東山区高台寺下河原町526
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